― 調べてばかりじゃ、力はつかない ―
「先生、全部○になりました!」「100点です!」
ニコニコしながら、そう言って問題集を見せてくれる生徒がいます。もちろん、頑張った証としてうれしいことです。が、よくよく中を見てみると…答えを調べて書いただけ、というケースも少なくありません。
そう、「全部正解すること」が目的になってしまっている生徒が、一定数いるのです。
丸がたくさん並んでも、学力はつかない
hal学習塾でも、何度か注意してきたことですが、「問題を解く」ことと「答えを写す」ことは、まったくの別物です。
学校のワーク、塾の問題集、過去問プリント。
これらを開いて、分からない問題に出くわしたとき、すぐに教科書や解説、ネット検索に走る。それで答えがわかれば、ノートに書き写して「はい、○!」。
…これ、どこに「自分で考える」時間があるでしょうか?
もちろん、調べること自体は悪いことではありません。でも、「調べて済ませる」「とりあえず正解すればいい」という姿勢では、本物の学力は身につかないのです。
プライド?自己満足?原因はいろいろ
なぜ「全部○をつけたがる」のか?
理由は生徒によってさまざまです。
- 「×がつくのがイヤ」=プライド
- 「完璧なノートを見せたい」=自己満足
- 「ちゃんとやったと思われたい」=外面
- 「とにかく早く終わらせたい」=効率優先
どの理由も、ある意味その子の真面目さや、努力を認めてほしいという気持ちの表れではあります。けれど、その「○」がウソの○だったとしたら…? 努力の方向を間違えてしまっていることになります。
本当に大事なのは、「間違える」こと
勉強って、「できなかったことを、できるようにする」ことです。
だから、間違えたっていいんです。むしろ間違えることで、「自分がどこを分かっていないか」がハッキリする。そこがスタートライン。
問題集は「正解を集める場所」ではなく、「弱点を発見する道具」なのです。
×がついた問題は、むしろ宝物。そこをどう攻略するか、何度もやり直して、ようやく「自分の力」になるのです。
調べる前に、まずは「考えてみる」こと
「考える前に調べる」「分からなかったらすぐ答えを見る」
そんな習慣がついてしまうと、自力で解く粘り強さが育ちません。
自重・自律・自発。
hal学習塾が大切にしているこの3つの「自」の力は、まさにここで問われます。
「どうしてこうなるんだろう?」
「ここまではわかった。でもその次が…」
「ヒントは何だ?」
――そうやって、頭を働かせる時間が、じつは何よりも大事。
解けなかったとしても、「ここまで考えたけどダメだった」という過程があれば、次に解説を読んだとき、理解の深さがまるで違います。
最初から完璧じゃなくていい
hal学習塾では、生徒たちにいつもこう伝えています。
「最初からできる子はいない」
「間違えるから、成長できる」
真っ赤に×がついた問題集を、恥ずかしがる必要なんてありません。
そこからどう向き合うかで、成績は変わっていきます。
「○の数」より、「本物の理解」を
勉強は、「誰のため」にするものか。
「先生のため」でも「親のため」でもありません。
「自分のため」です。
だったら、見栄を張っても意味がない。○の数で自分をごまかしても、実力テストや入試本番では何の助けにもなりません。
遠回りに見えても、ちゃんと考えて、自力で解くこと。
そして、×と向き合いながら、本当の意味で「できるようになる」こと。
それこそが、学力を伸ばす一番の近道です。