仙台市若林区沖野、六郷地区のhal学習塾です。
今回は「発心集」(鴨長明)という仏教説話集から一つ。
小田原といふ寺に、教壊聖人といふ人ありけり。
後には高野に住みけるが、新しき水瓶の、様なども思ふやうなるを儲けて、殊に執し思ひけるを、縁にうち捨てて、奥の院へ参りにけり。
かしこにて、念誦なんどして、一心に信仰しける時、この水瓶を思ひ出して、あだに並べたりつるものを、人や取らんと不審にて、心一向にもあらざりければ、由なく覚えて、帰るや遅きと、雨垂りの石畳の上に並べて、打ち砕き捨ててけり。
(現代語訳)
小田原という寺に教壊(きょうえ)聖人という人がいましたとさ。
後には高野山に住んだ人です。その聖人が、自分のほしいドンピシャの、どストライクの新しい水瓶を手に入れて、特に思いをかけていました。
ところがある日、それを縁にそのまま放っておいて、奥の院へ参拝しましたとさ。
あちらでお経を唱えるなどして、一心に信仰していたときに、この水瓶のことを思い出してしまいました。
不用意に並べておいた水瓶を
「誰か人が取ってしまうんではないか??」
と気になって気になって、心を集中することができませんでした。
「そんなのくだらん!」
と思って、帰るとすぐに、軒下の石を敷きつめてあるところに並べて、打ち砕いて捨ててしまったとさ。
この水瓶、受験生のスマホににていませんか?
教壊聖人は、自分のやるべき仏道修行には邪魔だ!いらん!と思って、
自分の思いをかけていたドンピシャの、どストライクの水瓶を自ら割ってしまうんです。
自分のなすべきことに集中するために。
この決意、この覚悟を受験生にももってほしい。
まあ、スマホを破壊しろとは言いませんが、勉強している間は必ず電源を切るとか別室に置いておくとかね。
スマホが、ラインが、気になって気になって受験勉強に集中できないならば
ぜひこの覚悟を!!
自分の今やるべきことを最優先に!
大きな目標を達成するには、自分のやりたいことを犠牲にしなければならないときがあります。
まあ私はというと、スマホ全く気になりません。
なんせ「鳴らない、電話」ですからね。
たま~に、本当にたま~に、妻からラインが届きますけど。
「今日はご飯食べてきて」
もう、履歴見ると5連続くらいでこれです(笑)。