不適切にも程がある‼️
〜昭和の“熱”と令和の“優しさ”のあいだで〜

2025年10月16日 | お知らせ, 中学生, 小学生

1986年、バスの中はタバコの煙で白かった。

1986年。私はまだ小学生。
当時のバスの中は、なんと“喫煙可”。
信じられないかもしれませんが、バスの後ろ半分は「喫煙席」だったんです。

(電車もそうでしたよね。灰皿ありましたし。)
窓際でサラリーマンがスパスパやって、煙がもくもくと前の席まで流れてくる。
しかも誰も文句を言わない。(4いや、ほんとありえねぇ~)
今の時代にそんなバスが走ったら、SNSが炎上どころか、運転手さんも炎上ですね(笑)。

学校でも先生が職員室でタバコをくわえながら成績をつけ、黒板の前に灰皿が置いてあることも珍しくなかった。
体育の授業では「水飲むな!」が当たり前で、真夏の校庭でひたすら走らされる。
しかも先生は笛をくわえながら缶コーヒーを飲んでる(笑)。
それが“当たり前”だった時代でした。


ドラマ『不適切にもほどがある!』が突きつけた「熱」の意味

そんな1986年から令和にタイムスリップする主人公・市郎(阿部サダヲさん)が、令和の教育現場で「それは不適切です!」と何度も怒られる――。
でも、見ていて感じたのは、
「不適切かもしれないけど、間違ってはいない」という不思議な感覚でした。

市郎は、子どもを本気で叱る。
ちゃんと目を見て、嘘を見抜く。
怒鳴り声の裏には、子どもを“信じている”気持ちがちゃんとある。
それが伝わるから、言葉は乱暴でも、心はまっすぐ響く。

令和の今、そんな「本気の指導」が減ってしまった気がします。
私自身、ふと気づけば言葉を選びすぎている。
「これを言ったら傷つくかな」「保護者にどう思われるかな」――そんなブレーキが、いつの間にか心の奥にあるんです。


「不適切」ではなく「本気」でありたい

私は塾長として、子どもたちと日々向き合っています。
勉強が苦手な子もいれば、やる気満々な子もいる。
でも、どんな子にも“伸びる瞬間”がある。
その瞬間を引き出すためには、時に厳しく言わなければいけないときもあります。

でもその言葉が、今の時代では“言いすぎ”と捉えられることもあるかもしれません。
子どもたちは案外分かっているんです。

「うわぁ!怖いぃ~」などと言いながらも
内心(本気で言ってくれてるな)って。

そう思えば、顔をそむけながらもちゃんとノートを開く。
それが、hal学習塾で見てきた“リアル”な子どもたちの姿です。


hal学習塾が大切にしている「3つの自」

hal学習塾では、
自律・自重・自発
という3つの「自」を軸に指導しています。

「自律」は、誰かに言われなくてもやる力。
「自重」は、自分を大切にし、周りにも迷惑をかけない姿勢。
「自発」は、やらされるのではなく、自分から動く心。

この3つを育てるためには、優しさだけでは足りません。
厳しさも必要。
でもその厳しさの根っこに“愛”があれば、ちゃんと伝わる。

ドラマの中で市郎が言ったように――
「本気で叱るのは、信じてるからだ」。
その言葉が、今の私の指導の軸になっています。


昭和の熱と令和の優しさのあいだで

今の時代は、「不適切」にならないように気をつけすぎて、
人間らしい“泥臭さ”を失ってしまった気がします。

でも、子どもを育てるって、きれいごとだけじゃない。
汗も涙も、時には怒鳴り声も必要なんです。
昭和の「熱」と令和の「優しさ」、その両方をもった指導が今こそ大切だと感じています。

だから私は、これからも生徒に本気でぶつかります。
褒めるときは全力で褒める。叱るときは本気で叱る。
そして、最後は必ず笑って「よくやったな」と言える先生でいたい。

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