「多様性を尊重する」
ここ数年、教育現場でもよく耳にする言葉です。
確かに、子どもたち一人ひとりが違う個性を持ち、その個性を尊重し、伸ばしていくことはとても大切なことです。
しかし最近、その「多様性」という言葉を、少し都合のいいように使ってしまっている場面を目にすることがあります。
「やりたくないことはやらない」「嫌なことは嫌」「自分のペースでやる」――。
それ自体は悪いことではありません。
けれど、それが「努力しないことの言い訳」や「周囲に迷惑をかけても構わない態度」になってしまっては、もはや“多様性”ではなく、“わがまま”や“身勝手”です。
多様性とは「違いを受け入れること」であり、「何をしてもいい」という免罪符ではありません。
自分の考えを持つことと、自分の考えだけを押し通すことは、まったく別のことです。
それを混同してしまうと、社会の中でうまく生きていく力が育ちません。
hal学習塾が大切にしているのは、3つの「自」――自律・自重・自発です。
この3つは、多様性の時代にこそ欠かせない力だと感じています。
- 自律 … 自分で自分をコントロールする力。やるべきことを、自分の判断でやり抜く強さ。
- 自重 … 自分の言動に責任を持ち、他人を思いやる心。
- 自発 … 「やらされる」ではなく、「自分から動く」姿勢。
たとえば宿題。
「やりたくない」「面倒くさい」という気持ちは誰にでもあります。
でも、「やりたくないけど、やる」。
その小さな積み重ねこそが、自律を育て、自信をつくり、結果として個性を輝かせる土台になるのです。
“多様性”とは、みんなが自由気ままに生きることではなく、お互いの自由を守るために、自分を律することでもあります。
誰かの「自由」が、誰かの「迷惑」になってしまうことがないように。
子どもたちには、そうしたバランス感覚を身につけてほしいと願っています。
塾という小さな社会の中で、いろいろな性格や考え方の子が集まります。
まじめな子、元気な子、マイペースな子。
その中で「自分だけ良ければいい」ではなく、「相手を思いやりながら、自分も頑張る」姿勢を育てること。
それが、hal学習塾の目指す教育です。
社会に出たとき、どんなに優れた学力を持っていても、
自分中心にしか考えられない人は信頼されません。
反対に、他者を尊重しつつ、自分の意見をしっかり持てる人は、どんな環境でも力を発揮できます。
多様性の時代だからこそ、「わがまま」ではなく「自律」を。
自分を大切にしながら、同時に他人を思いやれる力を育てていきたい――
それが、hal学習塾の指導の根っこにある考えです。







